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海老原 健一; 齋藤 圭*; 高井 健一*
Proceedings of 2016 International Hydrogen Conference (IHC 2016); Materials Performance in Hydrogen Environments, p.470 - 477, 2017/00
鉄鋼の水素脆化機構を理解するためには、鋼材中の欠陥における水素トラップ状態を推定する必要あり、水素昇温脱離解析はそのための有効な方法である。しかし、水素昇温脱離解析で得られる昇温脱離スペクトルは、欠陥による水素トラップの情報を含むが、実験条件や水素拡散に影響されるため、数値シミュレーションによる昇温脱離スペクトルの解釈が必要となる。本研究では、数値シミュレーションに必要となる水素のデトラップ及びトラップ速度定数を、焼戻しマルテンサイト鋼の拡散の影響を無視できる程度の厚さの板状試料から得た実験昇温脱離スペクトルから決定し、その速度定数を用いてよりサイズが大きい棒状試料から得たスペクトルの再現を試みた。その結果、得られた速度定数を使ったモデルは、そのスペクトルをうまく再現することができた。この結果から、拡散が無視できる程度の試料の実験スペクトルから得た速度定数は、サイズや形状が異なる試料のスペクトルのシミュレーションでも使えることが分かった。
海老原 健一; 齋藤 圭*; 高井 健一*
「水素脆化の基本要因と特性評価研究会中間報告会」シンポジウム予稿集(USB Flash Drive), p.30 - 35, 2016/09
鉄鋼の水素脆化機構を理解するために必要な鉄鋼中の水素トラップ状態を推定するために、昇温脱離解析(TDS)で得られる水素昇温脱離スペクトルが用いられる。近年、水素添加しひずみを与えた焼戻しマルテンサイト鋼における空孔型欠陥の生成が報告されていることから、そのような鋼材の試料における空孔型欠陥が水素トラップ状態への影響を評価するため、空孔型欠陥が温度によって変化する過程を組み入れた昇温脱離モスペクトルの数値モデルについて検討した。結果として、空孔の拡散及び消滅の過程のみを取り入れたモデルは、実験スペクトルの空孔の昇温脱離ピーク付近にピークを再現するが、空孔のピークと転位のピークの間の水素放出を再現できなかった。そして、空孔クラスターの簡易モデルを考慮したところ、空孔ピークと転位ピークの間に水素放出が現れる可能性が見られた。しかし、実験スペクトルの詳細な再現にはいたらなかった。それは、空孔クラスターの簡易モデルによるものと考えられる。
海老原 健一; 齋藤 圭*; 高井 健一*
「水素脆化の基本要因、解析と評価」シンポジウム予稿集(USB Flash Drive), p.27 - 33, 2015/09
応力腐食割れの1つの形態と考えられる水素脆化の機構の理解には、鋼材内の水素偏析状態の適切な把握が必要である。昇温脱離解析は、水素を含む試料を一定割合で加熱し脱離した水素を測定し、試料の水素偏析状態を反映する昇温脱離曲線を得る実験的方法である。しかし、昇温脱離曲線は実験条件や水素拡散の影響を受けるため、水素偏析状態の情報の抽出には曲線の数値シミュレーションが必要となる。本発表では、昇温脱離曲線の数値シミュレーションにおいて、従来過去の文献値や実験曲線へのフィッティングで決められていた計算パラメータであるデトラップ活性化エネルギーEとデトラップ速度定数の前指数因子pを、拡散の影響が無視可能な小さなサイズの試料の実験昇温脱離曲線から決定し、それらを用いた曲線の再現可能性について考察した。その結果、純鉄の場合、実験曲線から得られた両パラメータを用いることで脱離ピーク温度に関して従来よりよく実験値を再現できた。一方、焼き戻しマルテンサイト鋼については、得られたpを調節して得られたEと共に用いることで、同様にピーク温度を適切に再現できることが分かった。
海老原 健一; 山口 正剛; 都留 智仁; 板倉 充洋
no journal, ,
アルミニウム合金における応力腐食割れは水素脆化が原因と考えられており、合金中の水素存在状態の推定には昇温脱離解析が用いられている。本研究では、アルミニウム合金における水素拡散・トラップの挙動を理解することを目指し、既報の二つの純アルミニウムの水素昇温脱離スペクトルを数値シミュレーションによって再現し、さらに第一原理計算の結果を基とした考察から、それぞれのスペクトルに含まれる3つのピークの解釈について考察した。その結果、両者の最も低温側の第1ピークに粒界からの水素放出の影響の可能性があることが示唆された。また、第2、第3ピークについては、第一原理計算で評価されたトラップエネルギーより大きめの値が出ていることが明らかとなった。
海老原 健一; 関根 大貴*; 高井 健一*
no journal, ,
水素脆化は応力腐食割れの1つの原因として考えられている。鉄鋼に残留オーステナイト相が含まれる場合、その相は水素のトラップサイトとなり鋼材中の水素存在状態に影響し、水素脆化の発生に影響を与える。このことから、これまで高炭素/二相鋼の水素存在状態について水素昇温脱離解析を用いて調べられおり、水素添加の強さによって昇温脱離曲線の形状が変化し、それらは、相の欠陥、相、/界面における水素の分配が変わるためと考察されている。しかし、水素添加に対してどのように水素の分配が変化するかについては不明瞭な点があるとも報告されている。本研究では、相中に相がある場合の昇温温脱離曲線をシミュレーションする既存のモデルを適用し、水素添加の強さに対する水素分配を計算によって考察した。その結果、計算は概ね実験結果の傾向を再現するが、いくつか数値的に大きく異なる点があり、今後、更なる検討が必要であることが分かった。